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高速船構造基準について
船舶技術研究所 竹本博安
船舶技術研究所 宮本武
1. はじめに
経済的効率化のための規制緩和が求められる一方で、基準や検査制度の国際的な整合化を図るために船舶の安全に対する国際的な規則の統一化の傾向が強まっている。
高速船安全規則に関しては、従来のDSC(Dynamically Supported Craft)1)コードの見直しが1989年以来IMOにおいて作業が進められ、SOLASの関連規程と同等効果を持ったHSC(High Speed Craft)2)コードとして1996年1月に発効した。
このような国際的な動向に対して、国内でもこれに呼応して法的整備が求められる状況にあり、運輸省では船舶の技術基準の見直しに着手しているところである。
その中の一つとして、わが国の船舶構造規則の原典である鋼船構造規程の全面的見直しが平成6年度より、日本造船研究協会第40研究部会(以下、RR40と称す)にて進められている。これと並行して、単胴型高速船に対する構造基準に関する作業がRR744基準研究部会の検討成果を引き継いで平成6、7年度の2年間に亘り実施された。
本基準は、その成果を取りまとめたもので平成8年1月に運輸省通達3)として告示された。
ここでは、新しい高速船構造基準について、基準作成の背景、基準の考え方、その適用性及び実際の適用に当たっての問題点等について述べる。
2. 高速船関連基準の状況
高速船の急速な進歩に対応するために基準・規則の見直しの機運が高くなり、NV、LR等においても暫定ルールが定められ、さらに見直しが進行中である。ここでは、国内外の基準の現状について概要と規則改正の背景について述べる。
各基準における荷重設定法等の具体的な考え方等については、付録に記述した。
2.1国内基準
現行のわが国の高速船関達基準を表−2.1に示す。また、これまでの運輸省の高

 

 

 

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